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BLの終焉

Rあり、男性同士の恋愛小説を載せております。

Shangri‐La 18 

Shangri‐La 18





「本当にお邪魔していいんですか?
…小峰先生は?」

「雅彦さんは大阪です。
帰ってくるのは明日なんで寂しくて…」

鈴木さんの(寂しい)攻撃には湊も僕も弱い。
ひとつ年上のくせに年下を翻弄するんだから。

「それにしても丸の内のタワーマンションの最上階とか
お金持ちすぎですね」

200㎡超えの3LDKなんて半端ないな。

「雅彦さんは投資もしてたけど
実家が名家でひいおばあちゃんの遺産を
いただいたんだって」

「あるところにはあるんですねえ」

「大野さんちだってあんな一等地に
平屋の一戸建てとかすごいじゃないですか」

「2階と1階に離れるのも嫌だと幹事長が仰るんで
無理したんですよ、あれでも」

「わあ、のろけですか。
ごちそうさま!」

「違います、事実です」

「あははっ」


だだっ広いリビング、全面ガラス張りの向こうに都会の夜景が宝石のように散らばっている。

いつもこのリビングで二人で寛いでいるのかな。
優希くんの時には相当ダメージを受けて可哀想で仕方がなかったけど素晴らしい相手を見つけてくれて良かった。

湊、僕を含めた事務所の秘書は鈴木さんの事では心を痛めた。

鈴木さんは何も言わなかったから
尚更。


「泊まって行くでしょう?
色々聞きたいことがあるんです、僕」

「泊まるのはまずくないですか?
いくら小峰先生が留守とは言え」

こんな時の鈴木さんは粘り強くて断りづらい。
困ったな。


「大丈夫ですよ。
大野さんのことは知ってるから」

知ってる…?

「それはいつもお会いしてるし…」

「違いますよ、僕が大野さんに持っていた感情のこと」

恋情だったんだろう、と言うのは聞いたけど……

「今は小峰先生ベッタリですよね?
私は鈴木さんの兄弟のようなものでしょう?」

「雅彦さんは伴侶だけど大野さんはまだ忘れられないひと」

嘘だろ!?

「えっ?」

「なーんちゃって」

ああ、冗談か。

「…私のことより、
子供を作るって言ってたのはどうなりました?」

「もう少し二人でいたいって言うから…」

「それはそうでしょう。
まだ新婚さんですから」

「でもね考えておかないと時間が…」

「それで悩んでいるんですか?」

「…うーん…」

窓に張り付いていた鈴木さんが僕の隣に
ピタッとくっついて腰掛けた。

「あんなに子供が欲しいって言ってたのに」

「欲しいですよ?
でも本気で雅彦さんも欲しいって思ってるのか
分かんない時があってー」

「元は他人ですから分からないこともあります。
でも乗り越えられない壁なんてありません」

「…大野さんはどうなんですか?」

僕の腕に抱きついてジッと僕を見上げる鈴木さんは
僕だって可愛いなと思うけれどお互い本当の相手じゃないのはよく分かっている。

だからこそ距離がいつも近いんだ。


「…今だから言うけど小峰先生としてる時、
大野さんの名前呼んじゃったことある」

……してる時って…?

「まさか情事の時ですか!?」

「そのまさか。
でも雅彦さんは責めなかったんです。
だから本気になれたのかも知れない」

それは小峰先生が心が広いからであってー

ああ…何てことを……本当にもう!

「…鈴木さん…」

「なんか僕、雅彦さんに会えたからまともになれた気がします」

……

「…それは良かったですね。
私も愛だの恋だの信じてないと言うか
叶わないものだと思ってましたから」

「お互い運命の相手に出逢えて幸運でした。
で、大野さんお風呂一緒に入りましょうよ」

鈴木さんの考えていることは分からないことが多い。

「はあ!?
今言ったでしょ!幸運だったってっ」

「それとこれとは違うでしょ?
お風呂に入るだけだもん」

「……本当ですか?」

「僕、大野さんに嘘つかないから」

「すごい笑顔で言われてもー」



これから大変な時にこんなことしてていいんだろうか。
すごく不安になってきた。





続く




本日も沢山の拍手、ご訪問ありがとうございました。

Category: 大野敦の憂鬱 21

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