FC2ブログ
Admin   Newentry   Upload   Allarchives

BLの終焉

Rあり、男性同士の恋愛小説を載せております。

Shangri‐La 20 

Shangri‐La 20




スマホは鈴木さんを起こさないように電源を落としていた。

いつも6時半頃決まって目が覚めるから
僕にアラームは必要ない。

その朝も同じように目は覚めた。

でも、ふと触れたのは鈴木さんの素肌……?
裸の背中だった気がした。

また脱いじゃったのか…仕方ないなあ、
と思いつつゆっくり身体を反転させたんだけど
一瞬頭が空っぽになった。

裸の鈴木さんだけじゃない!

す…鈴木さんを胸に抱いているのは
パジャマ姿の小峰雅彦衆議院議員……だ!

何度か目を擦ったけど間違いなく小峰先生以外の
誰でもない!

僕はどうしたらいいんだ?

ここはもう寝室から逃げ出すしかないと思って
身体を起こしたけれどー

「大野さん、おはよう」

「……おは…よう…ございます…」

小峰先生が目を開け僕を見た。
細面、黒髪で乱れなく。
そして黒目がちで美しい切れ長の瞳に曇りはない。

「大野さん、ありがとう。
この子の面倒見てくれて」

鈴木さんの髪を撫でつつ小峰先生らしいことを
仰った。

「いいえ、申し訳ありません。
でも決して邪な気持ちは持っていませんので」

「よう分かる。
この子が我儘言うたんやろ」

「お留守の時にお邪魔してお二人のベッドで
寝るなどあり得ないことです。
軽率でした」

近頃その軽率さを自覚してるんだ。
自覚して気を付けてー
…でも、なんでかこうなる。

元々思考より行動が先の人間だから僕は。


「僕は何とも思わへん。
たまたま遅かったけど帰れて3人寝れるし
大丈夫かと思ったんだけど気を使わせて逆に申し訳ないね」

こんなふうに穏やかで懐の深い方だから
鈴木さんは好きになったのかな。

僕は超気まずいけどね。

「私はすぐに着替えておいとましますので」

「このマンションは僕だけのものやない。
この子の部屋でもあるんだから誰を呼んでも
かまへん。
それより僕も幹事長の委員会に誘われてるから
参加しようと思ってるんや。
どう思う?」

「…詳しいことは私も聞いてはおりませんが
もしかしたら政治家生命に影響する可能性が
あるかと…」

つい本心を喋ってしまった。

「そやったら挑むところや。
進んで参加する。
幹事長に伝えておいてくれるかな」

「承知しました」

「あのね、本当に大野さんならいつでも来て
泊まってやってほしい」

……

違う、そうじゃない。

「お言葉ですが鈴木さんの伴侶は小峰先生です。
なるべく寂しい想いをさせないでいただけませんか。
いつも笑顔で元気ですけど大阪と東京で離れている時間が長いと可哀想で仕方がないんです。
私が申し上げるのもおこがましいですが
選挙区を替えてはいただけないでしょうか。
このままだと…鈴木さんが壊れてしまいそうで
怖いんです。
私は勿論ですが的場先生や事務所の仲間も鈴木さんが大事なんです」

「ありがとう。
前向きに考えてみるから」

「…すみません。
朝から血の気が引きました」

「あはは、大野さんは真っ白いおひとや。
全く心配はしてないしこれからも同じ。
…慌てて帰らないで理佳のご飯食べて帰ってほしい」


「……はい」

でもベッドの上に3人……

これじゃ、3P…?
そう思われてもおかしくない光景だ。

悠也さんはすぐにこの事を知るだろう。

怒らないのは分かるけど呆れるかな。

…地獄耳の彼に伝わらないことなんて思えないし
鈴木さんが喋るに決まってる。

……具合悪い、頭痛い。






続く




本日も沢山の拍手、ご訪問ありがとうございました。

Category: 大野敦の憂鬱 21

TB: 0  /  CM: 0

top △

コメント

top △

コメントの投稿
Secret

top △

トラックバック
トラックバックURL
→http://haru1924.blog.fc2.com/tb.php/3974-ac2e0d0b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

top △

2018-09