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BLの終焉

Rあり、男性同士の恋愛小説を載せております。

Shangri‐La 29 

Shangri‐La 29






「こんな問題は起きないにこしたことはないが、起きたものはしょうがない」

「…はい」

「で、離党届けをいつ出すって?」

「年末はあれこれ紛れて時間は稼げますが
3日すぎると騒がしくなるのでその頃にはと
申し上げました」

幹事長室に今井さんも湊もいなかった。
僕が来る前に悠也さんが追い出したんだろう。


「クビより自主退社の方がいいに決まってる。
こっちは温情をかけたつもりだよ」

「検察に呼ばれかねないので通常国会まで引き伸ばすと言うか、
議員をお辞めにならない可能性もあります」

会期中の不逮捕特権を国会議員は持っている。

「辞めたら逮捕されかねないからね」

けれどそんなに重い罪には問われない。
重くても略式起訴の罰金刑だろう。

あるいはー
「そうでしょうか、公平な目で見ても
不起訴で済みそうですが」

「…どっちにしてもうちの議員でいてくれては困るよ」

「小松川先生の責任とばかりは言えませんが
教育が悪かったのでは?」

「そうだな、そのお陰で賛成票が集まりそうだ」

「……大きな派閥ですから数は稼げます」

そう上手く行くかどうか。

「しかしながらー
一寸先は闇だとあなたもご存じでしょう」

「ははは、永田町歴はきみの方が長い」

「笑い事ではありません。
闇がいくつもある上に深いです。
踏み外すと真っ逆さま…そんな代議士を何人も見てきました。
でも……」

「…でも?」

彼の隣に座ると僕の方から彼の腕を掴まえ擦り寄った。

「あなたが落ちても僕が傍にいればいいんですよね。
政治より僕が大事でしょう?
あなたは僕さえいれば生きて行けます」

「…そりゃ、勿論」

「委員会を立ち上げたのも僕との時間を大事にしたいからじゃないんですか?」


「可愛い顔を向けないでくれ、闇よりきみに落ちそうだ」

誤魔化したつもりですか。
それでも良いけどね。

「落ちたっていいんです。
今夜はホテル泊ですね?」

日々疲弊し心が折れそうになっても僕が正気でいられるのは
このひとが守ってくれてるからだ。

いつでも僕のことを想い愛してくれるこのひとがいるからだ。

だから多少甘くなるのはしょうがない。


「いつもの部屋じゃなくて
今夜はタワーホテルだから夜景は綺麗だよ」

夜景は見慣れてるけど毎日違う夜だ。
1秒も同じ夜はないから大切だと思う。

「お供しない方がいいですか今は…」

「いいや、一緒がいい!
今井くんに敦くんと泊まるから迎えはいいと
LINEするよ」

デスクからスマホを拾い上げ慌てて連絡する姿が
このひとらしくて好きだ。

今までこんなふうに彼の心がを占めたのは
僕だけと言うのも嬉しいかな。

「なんで笑顔なの、いつもの事じゃないか」

おかしそうにそう言うけどー

「そうですね。
いつもの事です…けど、僕はいつも同じじゃないので」

「…うん…?」

「あなたの気持ちもさっきと違うでしょう?」

「成程、愛情が増すばかりだ」
そう言うと彼は僕の手を引いて抱き寄せた。

愛情が増しているのが自分だけだと思っている所も彼らしい。




続く



本日も沢山の拍手、ご訪問ありがとうございました。

短くてスミマセン。
お外も小説もお寒いですね(/o\)

Category: 大野敦の憂鬱 21

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2018-06