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BLの終焉

Rあり、男性同士の恋愛小説を載せております。

Shangri‐La 30 

Shangri‐La 30




「あ、僕の方が永田町歴が長いなんて
言わないで下さい。
すごく年を取った気がします」

悠也さんが年上なのにまるで僕が覇権を握ってるような
言い方だ。

「だから皆さん変な目で見るんです」

「きみの尻に敷かれてるって?
幸せなことだよ」

…勘弁して下さい。

「敦くん、ヘリが飛んでる。
年末だからかな」

呼ばれて窓側に行くといつもの彼だ。
政治のことなど頭にないプライベートの悠也さんは
本当に晴れやかな顔をして笑う。

「世界や日本の平和とか幸せの前に私たちだ」

「…はい?」

「まずきみと私が幸せじゃないと嫌だ」

「……マスコミの前で仰らないように」

「言うもんか。
世間にぶちまけたいと前は思っていたけど
きみの身の安全が第1だ。
それにー
宝物を晒すのが惜しくなった」

「何方かに声を掛けられるのは気にくわないと言うのが本心でしょう?」

「ははは、そうだな。
寄るな触るな近づくなって感じかな」

「何方が来られても靡かないの知ってるでしょうに、
変なひとですね」

「随分前にはじめて知った嫉妬心だから仕方ない」

「…あなたもモテるから」

「嫉妬する?」

「いいえ、全然」

「それは冷たいじゃないか敦くん」

「喜んで下さい信用されているんですから」

僕の肩を抱いてた彼の手が降りてきて
僕の指を優しく握る。

「そうか。
でも人間と言うのは我儘だ。
信用されたいし嫉妬もして欲しい気持ちも
多少あって」

「嫉妬はー」

「……」

「もうしません」

「どうしてそう言い切れる?」

「どうしてでしょうねえ。
でもしないんです」

(しない)
と言うのはしないつもりだってこと。

でも確約はできないから何故かは彼には教えない。

「知りたいな…教えてくれないだろうけど」

彼は僕の事を僕以上に把握してるんだ。
僕が悠也さんを把握しているように。

「嫉妬してグルグル回ってる思考は無駄です。
そんな暇があったら恋する時間を増やしたい」

「…それ可愛いな。
ああ、さっき言ったみたいに愛情は増してる。
心配は要らないよ」


…心配…?

心配とかじゃなく恐怖に似ている。

唯一無二の誰かを喪う怖さや悔恨を僕は深く知ってる。
二度とそんな目に遭いたくない自分可愛さで…生きてる気さえする。

死別でもただの離別でも恐怖心は同じ量で。


恐怖心の正体を知っても彼は笑ってくれるだろう。
…それは分かっているけど見られたくない部分だ。

「…敦くん?
指が冷たいじゃないか。
ゆっくり風呂に入ろう?
付き合ってくれるよね」


……

「勿論」

ずっと懐いてきたのは恐怖心だけじゃない。

恋情もある。

父への想いとは違うし、ちゃんと悠也さんが必要で……

恋すれば恋するほど、愛情が増すほど
恐怖心もシミのように広く浸透していたのかな。

自分の気づかない日も夜も。




続く




本日も沢山の拍手、ご訪問ありがとうございました。

また短め。
すみません、今夜も上半身超痛くて。
首、肩、肘、小指やられております。

Category: 大野敦の憂鬱 21

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