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BLの終焉

Rあり、男性同士の恋愛小説を載せております。

Shangri‐La 31 

Shangri‐La 31





「さすがタワーホテル。
風呂からも絶景だ」

「ここ、正式には丸ノ内ニュータワーホテルですよね」

今秋ニューオープンだから人気は高くて
暮れからお正月、予約でいっぱいだと聞いたから
泊まれたのが不思議だ。


「そうそう。
敦くん膝においで」

彼の後についてバスタブに浸かった僕をいつものように
呼び寄せる。

穏やかでありながら艶かしい時間を僕らは共有する。


「年末でも朝でも夜中でもこの輝きは同じです。
生命活動をひとは止められない」

「…動き出したら止まれない世界だからね」

「止まれば…破滅、或いは滅亡する時と言うのは
あまりに儚く愚かしい…」

「その儚さや愚かさを愛すのが人類なんだろうね。
これから100年先も愚行をきっと重ねてる」

「僕もあなたも存在しない世界の成の果てなど
どうでもいいんですが…」

「あれ、どうした?
今夜は尖ってるね敦くん」

「尖りたい夜もあるんです。
…こんな僕、知りませんでしたか」

「知ってるよ。
揺れ動いて、悩んで迷ってー
その姿がゾクゾクするほど綺麗だ」

「…ありがとうございます」

「ははは、尖っていても素直だな」

「あなたは嫌になりませんか?」

「なに?人間に生まれたこと?」

「……そうですね。
生まれたくて生まれてはいませんけど
罪深い生き物で嫌な気持ちになることもあって」

「きみが言ったように生まれをコントロールできないんだからどう生きればより人間らしいか思考しながら
生きようよ。
色々バカなこともしたけど今は絶好調だ。
それもこれもきみがいるからだけども」

(あなたなしの人生なんて)
…か。

「分かってます。
時々迷宮に入り込むだけですから」

「私も20代や30代の前半までは鬱々としてたなあ。
きみは賢いからこれまでもこれからも考えるんだろう。
考えたっていい。
悩んだら私がいることに気づいてくれ」

「…はい」

彼の肩に額を擦り寄せ暫く黙って夜景を見ていた。

でもー

「出ましょう、のぼせます」
悠也さんと違って長湯は苦手だ。

「そうだね。
さすがにヤバいな」

「…そろそろご自分で分かって下さらないと」

「つい一緒にいたくて長引いてしまうんだよ。
きみが可愛いから仕方ないね」

そんなの聞いてる余裕ないですからっ
「我慢できない…出ます!」

結局、先に出るのはいつも僕。

彼を放り出しパウダールームで身体を拭くと
パジャマを持ってベッドルームに直行した。

暑くて暑くて…ほぼ裸…
で、ベッドの中なんて悠也さんの作戦じゃないだろうか。

大体最後までお付き合いできずKOで
後は彼のなすがまま。

あ…どうしてここ予約できたんだっけ?

「敦くーん、具合悪いの?」

僕の布団に触れた彼の腕を捕まえた。

「もしかして国家権力使いました?」

「…なんのこと?」

「ここの予約ですけど」

「いや、どこか綺麗なとこが空いてないかと今井くんに相談したら…
ここを取ってくれたんだ。
国家権力なんて使わないよ、きみが一番嫌う事じゃないか」

「今井さんはきっとツテがあったんでしょう。
顔が広い方ですから。
あまり今井さんを困らせてはいけませんよ」

「…分かった」

そのままベッドに入ってきて裸のままの
僕を抱き締める彼。

暖かくて幸せだけど…
「悠也さん、年が明けたら本格的に動き出すんですか?」

「宮崎がどう動くか見定めないと…」

「小松川先生は間違いなく宮崎議員を切り捨てますから
心配は要りません」

「敦くんがそう言うんならそうだろう。
また総理に相談するよ」

「……松田総理もかんでいるのは
まずくないですか?」

「私は総理を騙しちゃいないよ」

「あなたがやろうとしてることは私的な考えに基づいてますよね?
代議士としてどうかと思いますが」

「政治家として生きるよりきみの伴侶として
生きたいんだよ。
それに与党にとって悪いことじゃないと思うけどな」

「僕は全て知ろうとは思ってませんが
マスコミに流れる前に詳細はUSBメモリに保存して
渡して下さいね」

「…そんな可愛い顔してお願いされたら
はい分かりましたと言うしかないじゃないか」

そう言っていつものように胸の中に僕を包み込んだ。




続く




本日も沢山の拍手、ご訪問ありがとうございました。

Category: 大野敦の憂鬱 21

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