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BLの終焉

Rあり、男性同士の恋愛小説を載せております。

Shangri‐La 32 

Shangri‐La 32





ひとはソレを嵐の前の静けさと呼ぶのだろう。

珍しく静かな大晦日を僕たちは過ごしていた。

「やっぱりこの辺は静かだね」

猿楽町の高級住宅街を散歩するのは
悠也さんの趣味でもある。

元々スポーツマンだからジムにも行くが
ウォーキングが大好きだと言う。
勿論、僕がお供するからだけど。

「雪でも降りそうな空模様だね」

「…今日は寒いですね。
でもあなたの手は温かい」

「敦くんの手はいつも冷たい。
末端冷え性じゃないか?」

「大丈夫です。
いつものようにホットコーヒー買って
公園で飲むんでしょ?」

いつものコースはコンビニに行ってカップのホットコーヒーを買い、
公園のベンチで寄り添いながら世間話をする、と言う感じ。
1時間くらい喋ってやっと腰を上げるんだ。

「的場は蒼唯くんと松濤か?」

彼らも休めて良かった。

「ええ。何もなければ」

「総理が戻ったから官房長官はラッキーだったね」

「蒼唯さんは我慢強いけどちょっと辛いんじゃないですかね」

「可愛い子が苦しむのは可哀想だ」

「あなたもうちの先生と同じで可愛い子が好きですからね」

湊といい、悠也さんといい。
…ちょっとムカつく。

「ちょ…なに言ってるの、敦くんが1番だよ!
敦くんしか眼中にないって」

ふーん、そうですかね。


「あ……山茶花…」

「…ほんとだ。
冬の花だけど鮮やかな色だね」

「あなたの心のようですね」

「…どういう意味?」

「あなたは仕事に関しては厳しくて
いつも心にあの花のように燃えるような赤い
塊がチロチロと燃えている」

「…そうかなあ。
燃えるのはきみを抱いてる時だけだと
思うけど」

下ネタか!

「……もう!
そろそろ帰りますよっ」


怒ってはいなかった。

優しくて愛してくれて何でも許してくれるこのひとを
僕が本気で怒るわけもない。



「今年のおせちは洋風だからね」

帰ってさっそくキッチンに立った悠也さんは
おせちの最後の仕上げ。

重箱に次々と作り上げた料理を詰める。

「ローストビーフだろう、オマールエビに
キャビアと冬野菜のゼリー寄せ、牡蠣の燻製だろ、
他にもあるけど目玉はきみの好きなプチフールだね」

「よく作る暇がありましたね、ありがとうございます」

「いいや、私はきみの喜ぶ顔が支えなんだから。
昔は寂しい年末年始だった。
それに比べれば天と地だ。
こっちこそお礼を言う方だ」

彼がそれでいいと言うのなら……
僕が言うべきことはない。

「明日はいつもの神社行こうね」

毎年近所の小さな神社に初詣だ。
ほとんどひとのいない穴場。

そこでお互いの健康や仕事の成功を数分かけて
祈るんだ。

名前と住所を心の中で申し上げて
願い事をお願いするのが常だ。


明日は何をお願いしようか。

大晦日の今から悩むなあ。

この平和がずっと続きますように…?
それは難しいかも知れない。

神様でもお釈迦様でも大天使でも
お願いしたい節操のない僕。

「淳くん、なんか飲む?」

楽しそうな悠也さんの声がリビングにも
響いてきた。

「……あ、雪ですよ」

「マジ!?」

悠也さんが飛んできて窓に張り付いた。




続く




本日も沢山の拍手、ご訪問ありがとうございました。

Category: 大野敦の憂鬱 21

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コメント

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# |  | 2018/01/10 07:27 * edit *

鍵コメ下さいましたKさまへ(●^o^●)

Kさま、こんにちは(^^)/

コメントありがとうございます。

向こうのアカウントに入れず困っているんです。
本当は。
広告が出てるでしょうから消したいですし。

本当に大変申し訳ありませんm(_ _)m
お誉めにあずかり光栄です😆
恐縮しております。

機会があれば二次創作もできればと思っています。
ありがとうございました(о´∀`о)

ruru #Xl5e9i5Y | URL | 2018/01/11 11:45 * edit *

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