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BLの終焉

Rあり、男性同士の恋愛小説を載せております。

Shangri‐La 39 

Shangri‐La 39





「休みが3日までなんだからベッタリしていたい」

ダイニングテーブルに僕の好きな和食を並べると
「水羊羹からたべてごらん」
と、言った。

北海道十勝産の大納言が一番美味しいからと
わざわざ取り寄せ小豆から煮て作る自信作が
この水羊羹。

確かに固すぎず柔らかすぎず甘すぎず。
口に入れると溶けてしまう逸品だ。

「…相変わらず美味しいですね」

「そうだろう?」

「あなたがこんな繊細なお料理を作れるとは
昔は思いもしなかった」

「私は繊細だよ。
何時だって…きみを愛する時だって
繊細じゃないか」

「…悠也さん、食事中ですよ」

「食事とセックスは繋がってるんだ。
あまり満腹でも性欲が湧かない、
飢餓感が欲望に火を点けると言うし―」

「悠也さんには関係ないと思います」

「…なんで?」

「いつでもどこでもスイッチオンですから」

僕を前にして欲情しないことがほぼない。
一緒にいれば必ず手を出してくるくせに。

「…それはきみが悪いよ」

「人聞きが悪い事を言わないで下さい」

「きみが私の伴侶だぞ!?
欲情しない訳がない」

決めつけてくるところが良くない。
人間には理性も必要なんだ。

「節操がないと言うんです、それは!」

「お言葉だけど敦くん、違うね」

「なにが違うんですか」

「きみは未だに自分の放つフェロモンと言うか
オーラが分かってないんだ。
…その指先からつま先まで匂い立ってるじゃないか」

そんな事言われても……

それじゃ僕が惑わせてるって!?

「上品だけど色っぽくて体内の血が
沸騰するってくらいゾクゾクするよ」

「…あまりよく分かりません」

僕に近づく先生方が周りを伺ってるのは
どこかに悠也さんのスパイがいると疑っているからだろう。
恫喝されてもまずいし…
「とにかく僕は大丈夫です」

「私以外にもそう感じる人間がかなりいるから
私はきみを守ろうと必死なんだ、いつも」

「自分の身くらい自分で守れます」

「……分かるが…危ういんだ私から見れば」

「国会にいる時は大丈夫ですから」

悠也さんの言いたいことは分かってる。
でも一人前の大人として生きたいんだ僕は。

いつまでも守られてばかりは―
嫌だ。

「敦くん、ローストビーフはわさび醤油だったろう?
食べなさい」

「……」

また誤魔化そうとしてる。

「美味い?」

――時間がそんなに無いのならやっぱり密着か。

「…はい。あの…悠也さん…なにか僕にして欲しいことありますか?」

「きみにして欲しいことなんてないよ。
ただ座っていてくれれば満足だ」

「あえて、です。
あえて探すと?」

「うーん…」
きっとそのままベッドルームに直行かと思ったら意外な事を
彼は言った。

「ああ……爪!爪切って欲しいな」

「…爪?」

差し出された指の爪は確かに伸びてはいたけど
爪切り?

「それから膝枕に読み聞かせ」

よ……

幼児かっ




続く




本日も沢山の拍手、ご訪問ありがとうございました。

Category: 大野敦の憂鬱 21

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