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BLの終焉

Rあり、男性同士の恋愛小説を載せております。

Shangri‐La 45 

Shangri‐La 45




「……あれ…」

隣の悠也さんはーー

あ、ヤバい!
ガバッと起きたらもう夕方だった。

「…悠也さん…?」

彼は…いない。
珍しく僕を放って起きたのか。

「……」


慌ててリビングを抜けダイニングに行くと
キッチンに彼の姿があった。

「すみません、寝過ごしました」

「あれ、まだ寝てて良かったのに。
寝顔を自分で見たことないだろうが綺麗を通り越して神々しかったな。
そんなきみが私の伴侶なんて夢みたいだ」

いつものことだから、いちいち反応してられない。

「撮影するのはNGですからね」

「可愛い可愛い敦くんを誰にも見せるもんか」

本当かな…

「…ありがとうございます。
何か作っているんですか?」

「大したモノじゃないよ。
餅があるからぜんざい作ったんだ」

「…ぜんざい?
お汁粉とぜんざいの違いはなんですか?
以前から気になって単ですけど」

「関東じゃこし餡で焼いた餅入れるのが
お汁粉でつぶ餡で焼かない餅が入ってるのが
ぜんざいかな。
関西は逆らしいけどね」

「…へえ、そうなんですか。
食に関してはまるで知らないんで」

「敦くんはそれでいいんだ。
料理担当は私だからね」

「何時も何時もありがとうございます」

「きみも掃除や洗濯するじゃないか。
それも完璧に。
私は楽しくてやってるんだから。
それに敦くんが食べてくれるのが嬉しい」

「…なら、いいんですけど」

「ほら、テーブルついて」

「…あ、はい」

まだちょっと眠かった僕は目を擦りながら
ダイニングテーブルについた。

…ああ、小豆の芳ばしい匂いがする。

「餅は丸餅が好きだな」

「そうですか。
角餅しか食べたことないですけど
おめでたい感じですね」

お椀のお餅を見た。
…角がたたないから家内安全かな。

「そうだろ?
京都にいる頃甘味処じゃ
いつも丸餅だった」

洋菓子はあまり食べないけど和菓子は好んで食べる。
…学生時代からそうだったんだ。

「味は同じなんでしょうね」

「同じだよ。
でも丸いほうが可愛いと思うな」

「…僕もそう思います。
あ、美味しい!
甘すぎなくて雑味がないです」

「アクはバッチリ掬ったから」

「悠也さんは拘りますよね。
…ところで何かありました?」

「……え、なんで…」

「昼寝とは言え僕を置いてベッドを出たから」

「…連絡があってね」

「小松川先生ですか?」

「4日に宮崎に離党届けを出させるってさ」

離党届けでは済まない。
議員辞職に追い込まれるだろう。

「宮崎先生…決心なさったんですね」

「…小松川が説得したんだろう。
いつか戻れるだろうとかなんとか言って」

訴追されたら裁判だ。
不起訴はあり得ない、執行猶予はつくだろうが有罪だ。

次の選挙に当選したとしてもひとりでは何もできないのが永田町と言う闇の世界。

…まず当選は無理だろうけど。


「それは…無いですよね。
宮崎先生は任意或いは逮捕され事情聴取ですから」

「…どうでもいいんだけど宮崎議員は。
本丸に恩を売りたかっただけで」

大物議員をどんな手を使っても懐柔したい訳が
少しづつ分かってきた気がした。

「…って事だから明日までベタベタしようね」

いつも傍から離さないくせに。

でも年明けから国会は混乱するのか。
鈴木さんがさぞかしお怒りだろう。

「敦くん、夕方の買い物行こうよ」

「……いいですよ」

とりあえず今は幸福でいたい。

このひととの時間を大切にしたい。
…日々はあっという間に過ぎて行くものだから。



続く



本日も沢山の拍手、ご訪問ありがとうございました。

Category: 大野敦の憂鬱 21

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