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BLの終焉

Rあり、男性同士の恋愛小説を載せております。

Shangri‐La 46 

Shangri‐La 46




悠也さんはニット帽を被って
薄く色のついた眼鏡とマスク姿。

黒いダウンのロングコートを着ている。

僕はとりあえずマスク。
で、今シーズンに悠也さんが買ってくれた
ブルーグレイのカシミヤのハーフコート。

「…どこに出掛けるんですか?」

「後で分かるから」

猿楽町から代官山まで歩いて10分とかからない。

お洒落なカフェや雑貨店、洋服のショップは
さすがに閉まっているだろうに彼の足は代官山に
向かってる。


「代官山はどこも開いてませんよ?」

「…いいから」

と、この辺では1番高い商業ビルの中へ
入っていく。

1階はエレベーターホールで彼は躊躇なく
最上階のボタンを押した。

「…え、いいんですか?」

僕の肩を抱きさっさとエレベーターに乗った。

何を考えているか分からなかったけれど
ついていくしかないじゃないか。

そう思っているうちすぐに最上階のフロアに着いた。

「ちょっと階段上がろうか」

短い階段を上るとドアがあって
何故か悠也さんがそのドアの鍵を持っていた。

「ほら、早くおいで」

悠也さんに導かれるままドアの向こうに出ると
夕空が広がっていたんだ。

遠く富士山のシルエットも見える。

「……綺麗ですね。
寒いけど」

「そうだね」

「どうして鍵を持っていたんですか?」

「ここのオーナーは今井くんの親戚で
今井くんがデートに使ってくれと言うから
預かった。
確かに誰もいない屋上じゃひとの目は
気にならないね」

「買い物だって言ったのに…」

嬉しいけど…。

「夕焼けが見れたら買い物行こうよ」

そう言いながら置いてあったベンチに
僕を座らせ自分も隣に腰掛けた。


「こう言う所に来ると永田町の汚ならしい世界も
忘れるね」

「…まともな政治家もおられます」

「自分のことしか考えられない連中ばかりだ。
いい加減嫌になるな」

「それを浄化したいんじゃないんですか」

「あ、バレてる?」

「そんな委員会を作り行く行くは
特別監査機構を立ち上げるおつもりだと
僕は考えてました」

「その為に小松川に恩を売ったんだ。
最大派閥の領袖を取り込めば賛成票は
計算できる」

「…そんな話しをここでしたかったんですか?」

「ごめん」

そう言うと少しだけ深くキスしてくれた。

「…甘い」

「キスが甘いのか?」

「きっとさっきのぜんざいが甘すぎたんですね」

「敦くんには甘かったか。
帰ったら味をきみ好みに調整するよ」

「いいんです。
冗談ですから。
悠也さんも可愛いですね」

「敦くんには敵わないよ」

「ですから冗談です」
クスクス笑う僕を胸に抱き締め
髪にもキスを落としてくれた。

……あ、でもー


「悠也さん、夕焼けが」

「えっ!」

マジで焦る彼はすごく面白い。

「大丈夫です。まだこれからだから」

「こんなデート初めてだ。楽しいね」

……良かった。
せめて今だけは笑っていてほしい。

明後日から食うか食われるかの闘いが始まるんだから。




続く




本日も沢山の拍手、ご訪問ありがとうございました。

Category: 大野敦の憂鬱 21

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