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BLの終焉

Rあり、男性同士の恋愛小説を載せております。

Shangri‐La 47 

Shangri‐La 47




「敦くん、どこ行くの?」

「…書斎ですが」

「私も行くよ」

「……」

悠也さんは家の中では料理は別として
僕に依存する。
どこにでもついてくるんだ。

本を持ってリビングに戻ると
ベッタリ横に座る。
可愛いんだけど……うーん…

本を閉じ立ち上がるとまた―

「今度はどこに行くの」

「…悠也さんは座っていて下さい」

「なんで!一緒に行くよっ」

「ダメ」

「行くって!」

「僕はトイレに行くんです!
座ってなさい!」

「…はい」

って、具合だ。

外では強気で辛辣なことを言う彼も
僕には死ぬほど優しい。
昔は半ば無理矢理関係を迫られ
寝た事もあった。

今度の永田町での計画はかなり厳しそうだから
うちで甘えているのかも知れない。

僕にだけ見せてくれる顔が愛しい。


「悠也さんの気持ちは分かります。
でも僕はここしかいる場所はないので」

「ごめん、きみの姿が見えないと不安なんだ」

「…困ったひとですね。
約束だった耳掃除しましょうか」

「そうだね、そうしてもらおうかな」

すごい笑顔で……

「今準備してきますから
おとなしく横になってて下さい」

「分かった」



「…あまりありませんねえ」

僕の膝枕で寛いでる彼。

「そうかな?」

「ご自分で掃除してますか?」

「ああ、いつも瀧山くんがー」

……なんだって!?

「優希くんの代わりにあなたのツテで雇われた
公設第二秘書の瀧山信二、32歳乙女座のB型。
東大卒の独身に何をさせているんですか!?」

「……いや…膝枕なんてさせてないから!」

「当たり前です!
ですが、どうやって?
教えていただきましょうか」

「…私がクッションを枕にして…」

「彼がソファの横に膝まずいてですね?」

「…う…はい…」

「今度そんなことしてみなさい、
僕は松濤に行きますからね!」

「なんで的場の所に行くんだ!」

「あそこは蒼唯さんがいますし
僕と話が合うので。
もうおしまい!起きてください」

「瀧山くんは私に気なんかないよ、
敦くん…」

「目元の涼しい美形でしたね。
良かったです、優秀で綺麗な秘書が来てくれて」

ヤキモチじゃないけどちょっとばかり
イラッとした。

「そんな嫌味を…」

起き上がりながら呟く悠也さん。
すっかりしょげてる。

「悠也さんが浮気するとは思ってません。
ただ、耳掃除ってプライベートなことですよ?
プライベートで触らせるのはNGです。
いいですね?」

「申し訳ない!
もうしません」

可哀想に項垂れてる。
でもたまには釘を刺しておかないと
モテるから…

「あなたがモテるのは仕方がありません。
メンクイの僕が落ちたんだから」

…言っちゃった。

「つまり、モテる伴侶を持ったって事を
言いたいんだね?」

「…ま、そうです」

「本当に可愛いなきみは!」
と、抱き締めてきたんだ。
なんでそんな嬉しそうに…

「言っておくけど悪い虫を追い払ってるんだからね私も」

「…そうですか?」

「何人追い払ったか」

「モテる同士だから見映えが
さぞかし良いことでしょう」

「…言うね、敦くん」

「たまには吐き出さないと身体に悪いので」

ストレスは貯めないことにした。
そうじゃなきゃ彼の伴侶は務まらない。

「何でも言いなさい。
何時間でも聞く自信がある!」

そうでしょうね。
けど…顎をやられてしまいますよ。

「さっき買ってきたケーキ食おう。
今用意するから待ってなさい」

あ…逃げた。



「きみはザッハトルテが好きなのかと
思ってた。
苺のショートで良かったの?」

悠也さんがお茶を淹れてくれながら苺ショートのお皿を僕の前に置いた。
彼は和栗のモンブラン。
たまたま開いてた代官山駅近くの店で買って来た。


「…苺ショートの理由はあるんですけど…聞きたいですか?
今まで誰にも話したことないんですが」

「それは聞きたいに決まってる」

「……僕だけの記憶を、思い出を、
共有したいと本当に思いますか?」


彼は黙って頷いた。




続く




本日も沢山の拍手、ご訪問ありがとうございました。

Category: 大野敦の憂鬱 21

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