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BLの終焉

Rあり、男性同士の恋愛小説を載せております。

水星の欠片 18 

水星の欠片 18





自分にとって心を許せる相手は
久世馨一人だけだった。

勿論学校では多少付き合いが悪いだけで
普通に過ごしていた。

休み時間には話すし
ただ、深い話しはしない。

女子に何度告られても好きな相手がいるからと
断って来たんだ。

なのになんでストーカーみたいなクラスメートに
つきまとわれるんだ。

冗談じゃない!


「今度の土曜日空いてる?」

「空いてない」

…家にいるけどね。

「じゃ、日曜日は?」

「自宅学習」

「一日中勉強してるの?
あたしがご飯作ってあげようか。
健くんのマンション知ってるし」

…知ってるだろうな、間をあけついてきたんだから。

「作れるから要らない」

他の連中が好奇心丸出しで見てくるじゃないか。

(なになに?付き合ってんのあの二人)

(坂本って可愛いけどバカじゃん。
頭良くてモテる藤原が付き合うか?)

……全然聞こえてるし。

「…でも勉強続けるんなら中断されるの
嫌じゃないかな」

煩い。

「もうあっち行ってくんない?」

「でもどうして一人がいいの?
彼女とかいた方が楽しいのに」

「…何が楽しい?
付き合ってなにする訳?
セックスしたいだけなら他のヤツ当たれ!」

青い顔して立ちすくむ坂本。
でも本当のことだ。
そんなことにしか興味が無いのかと喋ってると
うんざりしてくるんだ。

「…違うよあたしは―」

知るかっ

「とにかく、
俺の中に土足で踏み込んでくるな!」

シーンとした教室。
俺は鞄に荷物を詰めると坂本を押し退け
教室を出た。

つまり、サボリ。

(成績のいいやつは早退できていいな)

そんな声が聞こえたけどどうだっていい。

馨……俺、限界かも。

スマホをタップして馨の笑顔をみると
恋しいのと哀しいので胸がいっぱいになって
泣きそうになる。

校門の緑の桜…見上げて思い出すのは
両親との会話でもなければ旅行のことでもない。

馨と出逢ったのはこんな季節だったな…って…。

「五月二十五日…だね、馨」

そうだ、また久世の家に寄ろう。
あそこに寄ると気持ちが落ち着くんだ。


家の門は…施錠されたまま。
古い家だから地区のシンボルとして残すと聞いて
ホッとした。

でも人が入った形跡はない。
それはそうだ。
馨は自分のとこに帰ってくるんだから
帰ってくるとしたら…マンション。

いつもマンション下に辿り着くと
上を見上げる。

道路側に面した部屋のカーテンが開いてないか
灯りが点いていないか。

そんなことがあったら…こんな孤独を
抱えてないと思う。

「健くん!
お弁当持ってきたよ!」

マンションのエントランスで後ろから
声を掛けられた。

坂本ユリカと坂本と仲の良い飯島…確か…
飯島泉。
成績はそこそこいい。

「…ストーカーか。
さっさと帰らないと警察呼ぶぞ」

「藤原くんさあ、なんでそんなにユリカのこと
拒絶するの?
好きだからキツく当たるんじゃないの?」

学力はあっても想像力が欠如してる。

喋っても時間が勿体無い。

「……」

彼女らを無視しオートロックを解除して
自動ドアの向こうに入って閉まるのを確認し
ドアの外の彼女らをチラッとも見ないで
エレベーターに乗った。

人の気持ちに疎い坂本はこんなことで諦めるタイプじゃ
なかったんだ。




続く




本日も沢山の拍手、ご訪問ありがとうございました。

Category: 水星の欠片

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