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BLの終焉

Rあり、男性同士の恋愛小説を載せております。

Shangri‐La 53 

Shangri‐La 53





「…あ、このオムレツ美味しい」

「分かる!?
野菜だけ食べて育った鳥の卵なんだ!
バターもフランス産だしね」


うちには悠也さん専用の冷蔵庫がある。

僕は料理ができないから一切触れない。
触れる理由が見出だせないと言うべきか。
通販で珍しい食材や新鮮な食材を買う。
家は留守がちだから
議員会館に届くようにしてる。

拘りが強いんだから。
僕がそう言うと、僕の為に拘っているとこたえる。

なるべく無添加無農薬の食材を集めてるらしい。

「どうしてこんなに料理が上手なんですかね。
僕なんて卵割るのも難しいのに」

「きみには必要ないことだよ。
できる方がすればいいんだから」

「そうやって甘やかすから上達しないんです」

「包丁とか危ないじゃないか。
指でも切ったら大変だ」

……

料理については…諦めてる。
苦手分野は作りたくないんだけど
料理だけは昔から苦手だった。
多分…父に似たんだ。

あのひともあまり出来るタイプじゃなくて
コンビニのおにぎりにお世話になっていた。

「…今日はどこかに行くんですか?」

「いいや、決めてないよ。
きみの言う通りにするよ。
…どうしたい?」

「あなたが計画しているんじゃないんですか?
僕に丸投げなんて聞いてませんが」

本当は考えている筈だ。
だからこうして朝食を運んできたんだ。

「とりあえず朝食を終わらせよう」

「……」

「今日も晴れてるな。寒そうだけど」

「5度だそうです」

「5度か…京都は10度でも芯から冷えて寒いんだ。
敦くんと行きたいな」

「寒い京都に?」

「いいや、桜の時期がいい」

「…それはまた混みますね」

「その方が案外バレないもんだ。
千鳥ヶ淵や目黒川もいいけど
桜は京都や奈良だろう」

随分話しが飛ぶ。

「一目千本。
吉野山の桜は見たことありますよ。
秘書になったばかりの頃ですが」

「大先生のお供で?」

「そうですけどプライベートで出掛けましたね」

「プライベートで花見なんて色っぽいな」

「的場の大先生とは親子のようなものですから
何もありませんよ?」

「分かってるけど…妬きたくもなる。
私ときみはプライベートで遠出はしてないだろ?
たまにはどこか行こうよ」

「機会があればどこにでもお供します」

なんて他愛ない話しをしていたんだ。

朝食も終わって片付けのお手伝いをしようと
ベッドを降りようとしたらー
悠也さんからNGがでた。

「きみはベッドにいなさい」

「いいえ、お手伝いします」

「ダーメ。今日はベッドから出さないの」

悠也さんの作戦…?

「……何故ですか?」

にしても、ちょっと意味が分からないけど。

「ベッドの中だけで過ごすんだ」

「…僕が?」

「きみが…いや、私ときみが」

「だからどうして…」

「そんな日があってもいいじゃないか。
ハネムーンみたいだ」

…今更言う?

「僕はずっと蜜月のつもりですが?」

「…ははは、私もだよ。
でも今日はベッドに拘束したいんだ」

「……トイレは…」

「抱いて連れていく」

「悠也さんが?
僕は幼児じゃないんですから」

「そうだけど連れていく。
連れて行ってドア閉めればいいじゃないか」

「…それが楽しいんですか?」

「楽しくてしょうがない!」


…ああ、愚問でしたね。

何と言うか、プレイみたいだ。

「…悠也さん、拘束プレイですね?」

「プレイじゃないよ。
きみに楽をしてもらいたいだけだよ」

嬉しそうに笑うから拒否できない。

「……狡いんだから」
そう呟いたら
「可愛いきみを今日まで独占できる」
と、意に介さないんだな。

けど…
逆に明日から目が回るほど忙しくなるから
逢えないって言うことか。

だったら尚更…嫌だと言えない。
だからあなたは狡いんだ。

「良い子にしてなさい、片付けてくるから」

…まあ、構わないんだけど。
悠也さんが幸せなら。




続く



本日も沢山の拍手、ご訪問ありがとうございました。

Category: 大野敦の憂鬱 21

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2018-06