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BLの終焉

Rあり、男性同士の恋愛小説を載せております。

Shangri‐La 61 

Shangri‐La 61





「律ばっか唄ってるじゃないか。
しかしワンオク好きだな律は」

確かにマイクを握って離さない律さん。
ただ声が掠れていて色気があるし上手い。

僕は歌と料理は苦手だからいいんだけど。

「好きだよカッコいいから。
あ、大野さん、唄う?」

「とんでもない。
私は聴くだけでいいんです。
…音痴なので」

「そうだって亮ちゃん、無理矢理はダメでしょ?」

「……律が唄いなさい」

長野さんも諦めたようだ。

「昨日ひとりカラオケしたけど
やっぱり聴衆がいた方が楽しいよね」

「昨日!?
遅かったのはそのせいか!
全然聞いてないぞ」

「いちいち亮ちゃんに報告しなきゃいけないの?
別に誰かとデートした訳じゃないのに」

痴話喧嘩?

犬も食わないヤツだ……。

「連絡がないと心配するじゃないか」

「自分だって遅く帰って来たのに?」

「仕事だよ!
こっちだって何もしてない」

「誰にも気がないふりして
亮ちゃんは大野さんが好きだったじゃないか」

「…それはー
それは違うんだ。
律が言っただろ、尋に似てるって。
尋が好きでちょっと重ねていただけだ」

「…今でも尋が好きなんだ亮ちゃんは」

まずいな。
本当に喧嘩してる。

「そうだよ、好きだったよ!
律と再会する前まで尋が一番好きだった。
ただ…尋には悪いけど今は律しか見えない」

「…口では何とでも言える。
大野さん、亮ちゃんは僕を放って置いて
寝ちゃうんです!
どう思いますか!?
指一本触れてこないって罪でしょ!
亮ちゃんはオジサンでも僕は若いんだから
相手しないなんてあり得ない!」

「それはたまたま疲れてて…」

形勢不利な長野先生。

僕はお二人の夜の生活まで口を挟めないです。

「義務だよ亮ちゃんの!
そうだよね、大野さん」

またこっち!?
だから無理です。

「僕を伴侶に選んだのは亮ちゃんなんだからっ」

「それはお互いだろう」

「……喧嘩は止めましょう」

そう言うしかないし。

「大野さんと幹事長は仲違いとか
しませんよね?
うちはしょっちゅうだもん」

「喧嘩するほど仲が良いと言いますから」

「厳密に言うとしょっちゅう喧嘩するほど
逢ってないんです。家に亮ちゃんは帰らないし
帰っても喧嘩になるだけだから」

「…だったら律さんも歩み寄らないと。
野党第一党の幹事長はお忙しいんです。
それに長野先生は不誠実な方じゃありません」

「大野さん、酷い目に遇ってるのに…」

「過去のことを思い返して責めますか?」

「…僕は責めたくないけど…」

「そうですよね。
仲良くして下さい。
長野先生には律さんの存在が不可欠なんですから」

「……はい。ごめんなさい」

「いいえ、いいんですよ」

「律、唄えば?」

「ワンオク大好きなんでしょう?
すごく良い声ですね律さんは」

「本当に?
僕、調子に乗るからね」

「……律…乗らない」

……長野さんも大変だ。


そんな話しをして…律さんが何曲か唄い
食事して散会したんだけども…

僕は猿楽町に帰り、悠也さんはホテル泊だった。

翌日に長野先生のことを報告しようと思い
悠也さんが作りおきしてくれてるシチューや
彼お気に入りの冷凍ロールパンをレンジで解凍して食べた。

それでシャワーして明日のスケジュールを
確認するといういつものルーティーン。

長野先生と律さんのことも忘れていたんだ。
半分プライベートだったからかな。
プライベートな事はなるべく脳から閉め出そうとするのはー
癖だ。

…父を亡くしてからの癖が直らない。


……静かな夜だった。

庭のマグノリアの開きかけの蕾が窓から見える。その薫りが室内まで届くようなー

春の気配さえ感じる森閑とした夜だった。


「…悠也さん…うちはもう春ですよ」




続く




本日も沢山の拍手、ご訪問ありがとうございました。
金曜日はボロボロです( ;∀;)
でも誰も助けてはくれません、自分で立ち上がるしかないんですけど。

Category: 大野敦の憂鬱 21

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