Admin   Newentry   Upload   Allarchives

BLの終焉

Rあり、男性同士の恋愛小説を載せております。

Shangri‐La 63 

Shangri‐La 63





「…敦くん、マスコミのカメラなんかに晒して
申し訳なかった。
本当にすまない!」

「大丈夫です。
顔は映ってませんでした」

何かと思ってやって来たらネットニュースのこと。

「盗撮されるのは慣れているので」

何度も写真週刊誌に撮られてる。
僕は一般人扱いで顔が映っていても
モザイクが入っているんだ。

「…盗撮…か。
もうそんな嫌な目に遇わせたくない。
ほんと、ごめん」

「いいえ、真相を知られてなくて
良かったと言うべきでしょう」

「……きみが可愛くてどうしょうもない」

黙って僕の手を握る彼。

本当は長野議員と会うのが嫌だったのかな。

「長野先生は本当に変わられました。
以前のような影がありません。
お話ししたように律さんもいましたから」

「分かってるよ。
しかし自分の計画にきみを巻き込むのは
良くないとは感じているんだ」

「…黙っていられるのも嫌です。
全て話して下さい」

デスクの前にいた僕の傍に椅子を立って来た。
そして僕の背と腰に腕を回す。

「……抱きしめていい?」

嫌じゃない、むしろ……そうして欲しい。

「1分だけですよ」

そっと、壊れ物でも扱うように
胸の中にふんわり抱き寄せてくれた。

僕は甘ったれだからここから離れたくなくなる。

「…あまり優しくしないで下さい」

「優しくするよ。
私の命より大切な宝物なんだから」

宝物って…うわ…

「恥ずかしいじゃないですかっ」

「恥ずかしがるきみも可愛い。
そそられるね」

「…今井さんが戻って来ます」

「気を利かせてくれるんだ、
きみがきていると」

それは知ってる。

「今井さんは可哀想です。
こんなことにも気を使って…」

僕の耳元で彼が囁く。
「深町先生が時々都内のホテルに泊まってる。
その時は勿論今井くんも合流する。
だからいいんだ。息抜きというか
チャージと言うか…」
あなたはパスモですか。

「もう補給できたでしょう?」

「…もう少しだけ」

「……」

なんのかんの言っても好きな相手だから
甘くなっても仕方ないかな。

黙ってると彼の唇が僕の唇、頬、耳…
そしてネクタイを緩め鎖骨の辺りを
吸うように口づけた。

ダメだ、流されたら暫く使ってない奥の部屋に
僕の方から誘ってしまう。

「…悠…悠也さん、続きは今度」

僕の方から無理やり身体を離した瞬間、
幹事長室のインターホンが鳴り
慌ててネクタイをぎゅっと絞めた。

「幹事長、失礼します」
今井さんだ。

「何かあったの?」

「宮崎議員の議員辞職のことで幹事長の会見はないのかと
野党とマスコミが騒いでいますがどうなさいますか」

「…文章で構わないだろう。
うちの議員じゃないんだから」

理屈ではそうだ。
離党届を出して無所属となり議員辞職をした訳だから。

しかし野党は少しでも与党保守党の足を引っ張りたい。
会見の要求は出すだろう。

「大野さん、原稿を書いてはいただけませんか」

僕にお鉢が回ってきた。

「そうだ、敦くん頼むよ。
これから経団連の幹部と会合なんだ」

それは良いけど…

「幹事長になったつもりで書けば良いんですね?」

「はい!」
「うん!」

揃って返事のよろしいことで。

「後で文句を言われても受け付けませんので
そのおつもりで」

……鈴木さんと宮田さんにもご協力願おう。




続く



本日もご訪問ありがとうございました。

Category: 大野敦の憂鬱 21

TB: 0  /  CM: 0

top △

コメント

top △

コメントの投稿
Secret

top △

トラックバック
トラックバックURL
→http://haru1924.blog.fc2.com/tb.php/4051-493bcf40
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

top △

2018-06